(画像は「MMAPLANET」より引用)
日本のマットに、クラッシャーが戻ってきます。
十年以上に渡って総合格闘技界で世界トップクラスの選手として活
躍してきた川尻達也選手。
UFCを離脱し、年末のRIZINで日本での復帰が実現しました。
その一方、もう1つ注目されているカードが年末に行われます。
それが魔裟斗×五味隆典戦。
今回は、魔裟斗選手、五味隆典選手。
この両者と戦ったことがある川尻達也選手とはどんな選手なのか。
そして、川尻選手を通して、
魔裟斗×五味戦の展望を予想してみたいと思います。
目次
川尻達也とはどんな選手
川尻達也選手は僕の好きな総合格闘家の一人であります。
あだ名は「クラッシャー」。
もう、その筋肉隆々の身体つきから、ぴったりのあだ名だなと。
その身体つきと、厳つい顔立ち。
こりゃ、絶対、僕の苦手なほうの格闘家だというのが
第一印象でしたが、実は違いましたね。
川尻達也選手は言動や話し方で好青年って感じがしますし、
何より他の選手へのリスペクトがある。
そういった点で、川尻達也という選手が好きなんですね。
もちろんその格闘家スタイルも好きですよ。
ちなみに、僕の中の基準で、格闘家の好き嫌いの基準があるんです
ね。
簡単に言ったら他の選手に対して
リスペクトしているか、していなか。
もちろん、プロ選手であるからには、キャラ作りによる場合もあり
ますよ。
でも、言動や態度なんかで、
他の選手、他競技、他団体へのリスペクトがあるかどうかって
結構分かってきてしまうもんです。
格闘家として、勝つことが一番って言われてしまえばそうかもしれ
せんが、やっぱり格闘技も選手も、試合だけではなく、その背景も
含めて感動があると僕は思ってんですね。
そういった意味で、僕の選手の好き嫌いの1つの基準となっている
のが、他へのリスペクトがあるかどうか。
ちなみに、選手自身は好きじゃないけど、その試合スタイルが好き
っていう選手も当然いますし、そういった選手も応援してますよ。
とにかく、個人的な好き嫌いはあったとしても、格闘技が好きなん
だなぁ。
と、関係ない話にそれてしまいました・・・
川尻達也の格闘遍歴を振り返る
川尻達也選手は修斗、PRIDE、DREAM、UFCと渡り歩き、
年末にはRIZINに参戦が決定しておりますね。
どの団体でもトップ選手として活躍しているんですが、
その時その時に必ず絶対王者的な存在がいるという、
ちょっと不遇な格闘技人生を歩んできた感じがしていますね。
僕が始めて川尻達也選手を知ったのは、修斗のリングで。
確か、修斗の世界ウェルター級王者になったころだったと思います。
試合も何度か生で観戦しているはずなんですが、
ちょっと記憶にないんですよね。
とにかく、修斗時代はビトー・”シャオリン”・ヒベイロという強か
った王者を破り、チャンピオンになったということ。
そして、同級の元チャンピオンの五味隆典選手がPRIDEで活躍し始
めていたことで、早くPRIDEに参戦してくれって感じだったような
気がします。
PRIDE参戦。そして五味隆典戦へ。
その時代の多くの格闘が目指した大舞台であるPRIDEへの参戦が2005年でした。
無難に2戦2勝を決めると、3戦目にして五味隆典戦が決定。
これはね、はっきり言ってPRIDEというリングの上でしたが、
修斗ファンとしては、修斗の新旧王者対決が実現したと、
とにかく興奮してしまうカードでしたね。
正直、当時の五味隆典選手に勝つってのは至難の技だったのは否め
ませんでしたが、やはり興味深いカードだったのは間違いありませ
ん。
五味戦で敗北後もPRIDEのリングでは連勝を続けるも、
ギルバート・メレンデスという大物相手に判定負け。
キャリアとしては、このメレンデス戦の敗北は痛かった。
ここでの勝利は、次なるステージへの一歩になるほどのカードだっ
たと思うんですけどね。
PRIDE消滅。DREAM参戦
格闘技好きに取っては衝撃的だったPRIDEの消滅。
ファンにとって衝撃だったんですから、
そこをメインにしていた選手たちにとっては、
どれだけのショックだったんでしょうかね。
そんな中で川尻達也選手が選択したのはDREAMの参戦。
ここでも川尻達也選手はトップ選手として活躍して、
HERO’S王者のJ.Z.カルバン、横田一則選手、宮田和幸選手、小見川
道大選手、ヨアキム・ハンセンという強豪に勝利。
実際、カルバンやヨアキム・ハンセンに勝利してるってのは凄いで
すよ。
でもですよ。あと一歩。
あと一勝があれば、その能力がもっと開花したのではないかと思う
んですよ。
やはり、後のUFCライト級王者となるエディ・アルバレスのTKO敗北。
青木真也戦での秒殺に近い1分53秒でのアキレス腱固めによる敗北。
この2戦のいずれかに勝利していたら、きっと今よりも立つステー
ジはより上のものだったんじゃないかと、そう思ってしまうんです
ね・・・
ついに世界最高峰UFCへ
DREAMが消滅後、ついに川尻達也選手は世界最高峰の場、UFCに参戦
します。
が、もうピークは完全に過ぎていましたね。
2014年の参戦から2016年まで、6戦して3勝3敗。
この間に網膜はく離からの復活があったとしても、
やはり戦績としては平凡。
どう考えても、UFCに参戦するには遅すぎた感がありますね。
川尻達也選手のスタイルだと、UFCのゲージでの戦いには非常にマ
ッチしたと思います。
それだけに、PRIDEの消滅後、それくらいの時期にUFCに参戦できて
いればと僕は思っているんですけどね。
3戦3勝という現状から、川尻達也選手自身がUFC離脱を直訴。
今年の年末には日本のリングに復活とあって、注目されていますね。
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五味隆典戦を振り返る
上記でも触れていますが、
川尻達也選手にとって、1つのチャンスとなったのが五味隆典戦だ
ったと思います。
この対戦を見返してみましたが、
やはりスタンドでは五味隆典選手が一枚も二枚も上手という印象で
すね。
川尻達也選手のパンチは重そうですが、五味選手のコンパクトに振
りぬくパンチが的確にダメージを与えていったというところでしょ
うか。
対する川尻達也選手は、自身のスタイルを徹底し、
グランドへ引き込み、上からのパウンドという展開を狙っていたと
思います。
でも、五味選手はボクシング技術が注目されやすいんですが、
レスリング技術がかなり高く、腰がかなり重いんですよね。
もう、川尻選手のタックルを切りまくって、
全然、川尻選手の流れが引き寄せられない。
そのうちにスタンド技術の差が現れてしまったというのが、
この試合ですね。
五味隆典選手の強さが、一層証明された試合だったのではないでし
ょうか。
人生を変えることができなかった魔裟斗戦
川尻達也選手にとって忘れられない試合の1つが、
K-1王者・魔裟斗選手との一戦。
この一戦はK-1ルールでの試合と、川尻選手にとっては不利なもの
でしたが、あえてこれに挑んだのはある思いがあったんですね。
当時、PRIDEが消滅し、総合格闘技の人気がどんどん下がっていっ
た頃でした。
総合格闘技、いや格闘技界を盛り上げるため、
総合格闘技代表として試合に臨んだんですね。
試合前から、魔裟斗選手と川尻選手は舌戦を繰り広げ、
試合前からかなりの盛り上がりだったのを覚えています。
川尻選手がノーガードで打ち合うと言えば、
魔裟斗選手は3分間立ってられんの?と挑発。
さらに、川尻選手は、何を偉そうに言ってんのかと、
魔裟斗選手を挑発していましたね。
試合は、重いパンチで魔裟斗選手をヒヤリとさす場面もありました
が、ローキックで距離をしっかりと取り、回転の速いパンチを浴び
せた魔裟斗選手の圧勝でした。
川尻選手のキックに、すべてカウンターを合わせるなど、
魔裟斗選手の強さが光る試合でした。
川尻戦から、魔裟斗×五味戦を予想
今年の年末、一夜限りの復活を行う魔裟斗選手と五味隆典選手の夢
の対戦が実現します。
両者と手合わせをした川尻戦から、
この試合の予想をしていみたいと思います。
まず、川尻戦を見る限り、
五味選手のスタンド技術は川尻選手より数段上ってのは分かります。
パンチの回転、飛び込むスピード、
総合格闘家としては圧倒的なものを五味選手は持っていると言える
でしょう。
そう考えると、川尻×魔裟斗戦以上に、
スリリングなスタンドの勝負になるのではないかと予想します。
対する魔裟斗選手は、決して相手に対して甘い対応はしませんでし
ょう。
川尻選手相手に、魔裟斗選手は無理をせず、
ローキックで試合をしっかりと組み立て、自分の試合を徹底してい
ました。
この姿勢は、五味戦でも変わらないでしょう。
きっと、魔裟斗×五味戦が、ボクシングルールで行われるならば、
かなりの接戦となると思うのですが、やはりK-1ルール。
五味選手がいかに魔裟斗選手の蹴りに対応できるか。
ここにかかってくるんじゃないかなと思いますね。
両者の年齢的な衰え。現役と引退して復活と、かなり状況は変わっ
てきておりますが、それらの要素を全て考慮に入れずに考えると、
やはりK-1ルール上では魔裟斗選手優位と言わざるを得ないでしょう。
というか、魔裟斗選手が圧倒的に優位と考えますね。
確かに、魔裟斗×五味戦というのは夢のあるカードです。
これが実現するのが10年くらい遅かったと言われても、
やはり魅力的なカードであるには違いありませんね。
まとめ
●10年以上に渡って、総合格闘技界でトップ選手である川尻達也選
手。これまで様々な名勝負をしてくれました。
●魔裟斗選手と五味隆典選手と試合をしたことがある唯一の選手が
川尻達也選手。
●川尻戦から、魔裟斗×五味戦の展開を予想。やっぱり、魔裟斗選
手が優位か?
日本マットに復帰が決定した川尻達也選手の一戦目は
クロン・グレイシー戦に決まりました。
かなり、硬派なカードになりましたね。
川尻選手がベテランとしての力を発揮し、総合格闘技の恐ろしさを
若いクロンに思い知らせることになるのか。
逆に、クロンが最強のグレイシー一族の強さを見せ付けてくれるの
か。
こちらのカードもかなり興味深いですね。