現在のキック系の軽量級で日本トップにいるのは武尊選手であるのは間違いないでしょう。
K-1 WORLD GP スーパー・バンタム級とフェザー級の初代王者にして、2階級制覇の達成。
主戦場であるKrushでも初代Krush -58kg王者でとして活躍しており、軽量級最強であることを否定できるのはいったい誰がいるのでしょうか?
いまの勢いを止めるのは、ちょっと厳しいんじゃないかな。その時代、時代に生まれるスーパースターってのはこういった選手なんだろうなというのを体現したのが武尊選手ですね。
現在の武尊選手の戦績は24戦23勝(14KO)1敗。素晴らしい記録であります。
だからこそ気になるのが、唯一の敗戦。
その相手こそ、京谷祐希選手!・・・って、あまり聞きなれない名前ですね。
超新星・武尊を破った京谷祐希はどんな選手か?
当時20歳、戦績5戦5勝のうち4KOという記録で、すでに超新星として期待されていた武尊選手。
そして、その6戦目の相手となったのが京谷祐希選手だったわけですね。
当時の京谷祐希選手は大坂出身で「ミナミの天才」と呼ばれていた選手。
戦績は当時、武尊選手と同じく5戦しており、武尊選手との対戦の一つ前にKO負けしており、5戦4勝(2KO)1敗というものでした。
きっと武尊選手にとっては通過点の一つってしか思っていなかったんでしょうね。まあ、そこで足元をすくわれるのが格闘技。慢心した時にそっと悪魔が近寄ってくるようなもんです。
実際の試合はYouTubeにありましたので、リンクを載せておきます。
京谷祐希VS武尊(勝者 京谷祐希)
https://www.youtube.com/watch?v=56e91Kdei8o
観ていただければ分かりますが、序盤からカウンターでいい右が武尊選手に入っていますね。まだまだ、試合経験が少なかった武尊選手は、この時点で相手の右を警戒するという選択はとれなかったみたいですね。いつものアグレッシブルなスタイルでガンガン前に出ていってしまっていますね。
1分過ぎのカウンターで入ったワンツー。すぐに追い込みのパンチと、確実に武尊選手を圧倒していたのが分かります。
武尊選手も京谷選手の攻撃に負けじとパンチを繰り返すのですが、強烈なカウンターを受けて腰が砕けてしまう場面も。ここら辺が、この試合のターニングポイントだったのではないでしょうか。
強烈なパンチに武尊選手の鼻は破壊されてしまった・・・
(画像はhttp://kawashima0524.blog.so-net.ne.jp/2016-06-28より引用)
明らかにハードパンチャーでかつ、カウンターを合わせてきた京谷選手に対して、一辺倒の勝負になってしまったんですね。ダウンをした後も冷静になる感じもなく、打てば強烈なカウンターをワンツーで受けるといのが繰り返され、結局、この猛攻により武尊選手は鼻の骨折により、1ラウンド終了時にTKOとなりました。
試合終了後に審判に続行をアピールし、その気の強さを当時から持っていたのを覗えますが、実際のところ完敗だったというのは間違いないでしょうね。
初の敗北後の武尊に変化はあったのか?
この敗戦によって、武尊選手は引退を決意したそうですね。
個人的には超新星と呼ばれるも弱冠20歳。そんな選手がただ一敗しただけで「引退」を口にするなと言いたい。
格闘技やボクシングでは、才能がない選手でも地道に努力を重ね、その結果到達できる境地ってものがあると思うんですよ。そういった選手もいるってことを理解せんで、ただ自分の才能だけに溺れていくってのは、絶対してはいけない。
この武尊選手の思いを留めたのが、同じジムの卜部兄弟だったらしいですね。やはり、同じ飯を共にしたではないけど、苦しい練習を間近に見てきた仲間が助けを出してくれるものですね。
その後の武尊選手は、この敗戦を機にスタイルを少しずつ変えていったように思えますね。それまでのアグレッシブ一辺倒の試合運びではなく、ガードをしっかりと上げカウンターを狙うスタイルに変化させていったのが分かります。
きっと、この敗戦がなくても武尊選手はトップ選手として活躍していたのは間違いないでしょう。でも、この一敗があったからこそ、カリスマと呼ばれるまでの選手になったのではないかと、その転機となった敗戦だったのではないかとか思いますね。
一方、京谷祐希の現在は?
京谷祐希選手は、その後、怪我に苦しみながらの選手生命を送っているようです。実際の記録を見ても、武尊選手を破ったのちに怪我をしたようで、その対戦から1年3ヶ月後に試合を行い、そこで勝利を得ているようですが、その後は試合が行われていないんですよね。
その試合が2013年の9月に行われていますので、すでに3年以上試合から遠ざかっていることになりますね。
「武尊を倒した男」というテロップでテレビに出ていたころもあるようですが、本人としては不本意でしょうね。あれだけのハードパンチャーで、カウンターの合わせも上手かったのを見ると、怪我さえなければもっと高みへ登ることができていたのではないかと思うんですよね。
そもそも、選手にとっても「武尊を倒した男」って全く自慢にもならない。今の武尊選手を見てそう言ってたら、かっこわるいったらありゃしないですからね。「ヒョードルを倒した日本人」としてずっっっっと紹介されてきた高坂剛選手もきっと同じ気持ちだったのではないかな。
とにかく、年齢的には厳しくなってきた京谷祐希選手ですが、ぜひもう一度リングに戻ってきてもらいたいですね。
まとめ
K-1の新カリスマ武尊選手の唯一の敗戦は「ミナミの天才」京谷祐希選手に敗れたもの。
試合内容は、京谷祐希選手が圧倒し、なんと1RTKO。
その後、武尊選手はK-1の新カリスマと呼ばれる一方、京谷祐希選手は怪我に苦しめられる選手生活を送っている。
どんなに素晴らしく、強い選手にも敗戦はあるもの。それをいかに活かし、その後のキャリアを繋げていくかが本当のプロ。
そういった選手を観て、応援することは、格闘技ファンとしての醍醐味ですね。
敗戦も、その選手のストーリーの一部なんです!!
じゃあの。
(画像はhttp://www.krush-gp.com/fighter/kyotani-yuki/より引用)