(画像は「」より引用)
今日、ヤフーニュースで「伝説の柔術家が“秘技”伝授 ヒクソンと対戦の
中井氏、柔道女子日本代表強化合宿に」という見出しが。
内容は、元総合格闘家であり、日本のブラジリアン柔術の重鎮である
中井祐樹先生が、なんと柔道の女子日本代表合宿に、特別コーチとして参加。
その技術を、女子トップ柔道選手に伝えってもの。
ちょっとね、この記事を読んで涙ぐんでしまったんですね。
ブラジリアン柔術を日本に広めようとしてきた中井祐樹先生が、柔道日本代表
選手たちに技術を教える日が来るなんてね。
今回は、中井祐樹先生って人がどんな方なのか?
どんな功績を残して方なのかを、ちょっとまとめてみました。
目次
中井祐樹先生とはこんな人でした。素顔とその偉大な功績。
中井祐樹先生。
実は、僕が東京に住んでいた頃、中井祐樹先生の格闘技ジムであるパラエストラ
東京に所属しておりまして、中井祐樹先生と表記させてもらっています。
中井祐樹先生は、今でも時々ですが、総合格闘技の大会で解説者として呼ばれる
ことがありますんで、その顔を知っている人はいるかもしれませんが、日本の
格闘技界における功績について詳しく知っている方は少ないかもしれません。
一見すると、元格闘家にも見えませんしね。
中井祐樹先生の偉大な功績から、紹介していきたいと思います。
元格闘家。そしてブラジリアン柔術日本初の黒帯選手!
中井祐樹先生は、日本の総合格闘技の創世記とでも言える時代に活躍。
1993年にプロ格闘家としてデビュー。
1994年には第3代修斗ウェルター級(-70キロ級)で王者となりました。
その後、当時世界最強と言われていたヒクソン・グレイシーを呼ぶために
行われたと言って過言ではない大会『VALE TUDO JAPAN OPEN 1995』に参戦。
体重的には中量級ながら、重量級の対戦相手に勝利を重ねて決勝に進出し、
ヒクソン・グレイシーと対戦。
結果は敗戦ながら、決勝まで勝ち上がるまでのダメージを考えれば、その偉業は
はかり知れないでしょう。
ただ、この大会で総合格闘家としての選手生命は絶たれることになるんですね。
ジェラルド・ゴルドー戦での失明がなかったら・・・
この『VALE TUDO JAPAN OPEN 1995』での一回戦の対戦相手は、初期のUFCや
リングスで活躍したジュラルド・ゴルドー。
(画像は「」より引用)
ジュラルド・ゴルドーってのが、元用心棒ということもあり、そのファイト
スタイルは反則を多用する喧嘩スタイル。
この対戦で、中井祐樹先生はゴルドーのサミング(目潰し)を繰り返し受け、
これが原因で失明することになったんですね。
ゴルドーのこの行為は決して許されることではなかったんですが、中井祐樹先生
は、総合格闘技の危険さが過剰に取り上げられ、発展の妨げになると判断し、
ゴルドーに批判をするどころか、数年間、失明の事実を隠したんですね。
総合格闘家としての戦績は11戦。
非常に総合格闘家としての寿命は短かったと言えますね。
もし、この失明がなかったら、日本の格闘技界の歴史も変わったかもしれません。
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柔道とブラジリアン柔術の架け橋となる!?
失明した中井祐樹先生は、その後、ブラジリアン柔術に専念。
ブラジリアン柔術を日本に広げる立役者として活躍し、自身のジムである
パラエストラ東京を設立。
中井祐樹先生は以後、青木真也選手などのトップ格闘家育成し、ブラジリアン
柔術家も多数輩出しています。
総合格闘家としての人生は絶たれたわけですが、皮肉にも、中井祐樹先生が
ブラジリアン柔術に専念しなければ、現在の日本におけるブラジリアン柔術の
広がりはなかったかもしれません。
そして、その技術は世界に誇る柔道界にも認められることになったわけですね。
現在、低迷期から復活しつつある日本柔道。
その復活に中井祐樹先生の理論や技術が役立つのかもしれませんね。
中井祐樹先生について、個人的な印象
普段の中井祐樹先生は、とても格闘家、というよりも格闘技に関わっている
ような風には見えないんですよね。
まず、人間的に本当に魅力的というか、偉そうな言い方をすると人格者。
普段はとても穏やか。
格闘技の知識も驚くほど。当然、総合格闘技やブラジリアン柔術の知識も豊富
なんですが、プロレスも非常に好きらしくて、知識が深い。
僕がブラジリアン柔術を習っていた頃に感じたのは、全ての技術をしっかりと
論理的に理解しているんだなってこと。
だから、解説も非常に分かりやすく、そりゃ日本トップクラスの選手を多く
排出するのも頷けます。
人間的にも尊敬しておりまして、こんな方に出会えたってだけでも僕の人生に
一つ意味あるものにしてくれたなと勝手に思っているんですよね。
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まとめ
●ブラジリアン柔術の第一人者の中井祐樹先生が、全日本女子柔道合宿に特別
コーチとして参加したらしい。
●中井祐樹先生は、創世記の格闘技時代に活躍。伝説の格闘家ヒクソン・グレイ
シーとの対戦経験もある。
●試合中の、相手の反則行為のサミングにより失明し、総合格闘家としての選手
生命は絶たれたが、その後、日本のブラジリアン柔術の発展に大きく貢献してき
ている。
僕は現役時代の中井祐樹先生については、実はあまり知りません。
だからってのもあるんでしょうが、格闘家のイメージを大きく変えてくれた
存在でもあります。
今でも、年賀状の交換はしていただいており、試合会場でお会いすると、長く
お会いしていないにも関わらず、しっかり覚えていてくれております。
とにかく、勝手に人生の師の一人と思わせていただいている方なんですね。